漢方薬の処方「便秘」

便秘とは、大腸内の便の通りが通常時に比べて遅くなり、排便の回数や量が減ったり、便が硬くなったりすることをいいます。


個人差もありますが、一般的には24時間から48時間の間、排便が規則的に行われていれば正常と考えられます。


しかし、3〜4日以上便通がない場合や、便意をもよおしてもスムーズに排便できない場合を便秘と考えてよいでしょう。


3〜4日、便秘が続くとお腹が張って苦しくなったり、肌あれ、吹き出物が出やすくなったりするのが便秘の特徴です。


このような便秘の原因として考えられるのは、食べすぎプラス運動不足による肥満です。


特にお腹の周りや腸管に脂肪がつくと、それが直接腸を圧迫するために働きが悪くなり、便秘になりやすくなると考えられます。

また、便秘といってもいろいろなタイプがありますが、漢方では便秘している人の体質と全身状態によってタイプを分け、そのタイプにあった漢方薬をおすすめします。


熱タイプの便秘:三黄散(さんおうさん)

赤ら顔で、からだがいつも熱っぽい人、口が乾き、口臭があり、小便の色が濃い、冷たいものを好む、といった人の便秘です。一般に通じをつける薬を使います。


この「三黄散」には大黄、黄苓、黄連、という三つの薬が配合されています。


通じをつける効果ばかりでなく、体を冷やす作用もありますので、赤ら顔ののぼせや精神不安などにも効きます。

寒タイプの便秘:桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)

手足が冷えて寒がる人、時々腹痛があり暖めると軽くなる、口は乾かない、夜間によく小便に起きるような人の便秘です。


この「桂枝加芍薬薬黄湯」は体を温める薬が主な成分となっているので、胃腸の弱い人の便秘に効果的です。


処方されている薬のうち、芍薬、甘草、生姜、などは腸の運動を正しくし、大黄には下剤の効果もあります。

腹が張って腹痛などを伴う便秘の人に効きます。

虚タイプの便秘:潤腸湯(じゅんちょうとう)

気持ちの沈みがちの人、体液成分が不足している高齢者、顔色が悪く、頭がふらつくような人に多い便秘です。


寒タイプ、虚タイプの便秘は、身体を温めたりする薬を使います。


このような症状の便秘には「潤腸湯」を。どちらかというと体力のない人の便秘、とくに高齢者の便秘によく用いられます。


体液が不足しているので、腸内が乾き、うるおいがなくなって便秘になります。


便が出てもコロコロとしたのが少し出る程度です。


このほか、多くの便秘の中にはタイプを分けにくい場合があります。


そのような時には大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)が幅広く使われます。


体力の強い、弱いもあまり細かく考えなくてよいでしょう。


ただ、冷え症の人が飲むと腹痛を起す例もありますので注意しましょう。

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